今年の 第41回全国大会 は、10月8日(金)〜10日(日)、東洋大学 白山キャンパスで開催されます。昨年より1ヶ月ほど早い大会開催となります。「1.第41回全国大会概要」に記載されているように、10月8日(金)は、各種委員会、及び理事会が、9日(土)は、統一論題研究報告、及び会員総会、並びに懇親会が、10日(日)は研究プロジェクト報告、及び自由論題研究報告が行われる予定です。
今大会の統一論題は、「広告の矜持、広告人の矜持 ―広告の存在意義と本質を問う―」です。詳細は「2.大会統一論題」をご覧いただきたく存じますが、例年同様、活発で創発的な議論が展開されるよう、多数の会員のご出席、ならびに研究報告のお申し込みをお願い申し上げます。
大会会場となる 東洋大学 白山キャンパスは、東京・文京区にあり、最寄り駅・都営地下鉄 三田線 白山駅より徒歩5分、もうひとつの最寄り駅・東京メトロ 南北線 本駒込駅より徒歩5分です。新幹線 東京駅からは隣接する 都営地下鉄 三田線 大手町駅に行き、そこから乗車8分で 三田線 白山駅に着きます。
また、統一論題、自由論題の研究報告会場である白山キャンパスの6号館は、しばしばテレビ等でも取り上げられるタンドリーを備えたカレー店もある広い学生食堂があります。懇親会会場は、2号館16階のスカイホールで行いますが、ここは文京区内でも“標高”の高いところで、今建設中の東京スカイツリーや東京ドーム、天気がよければ富士山等を望むことのできる大変眺めのいい会場です。
多くの会員の大会ご参加を心よりお待ち申し上げるとともに、ここに大会開催についてご案内申し上げます。
2010年4月
第41回広告学会全国大会 大会運営委員長 疋田聰
「広告の矜持、広告人の矜持 ―広告の存在意義と本質を問う―」
広告学会は、昨年創立40周年を迎え、『日本広告学会40年史』を刊行した。人間で言えば今年は41歳、「不惑」の段階に歩を進め、今日までの蓄積を開花させるべく、人生でもっとも充実した時期にさしかかったところといえよう。
ここ10年余りの全国大会のテーマをレビューしてみると、広告教育、広告の力、広告の役割及びその可能性、さらには新たなパラダイムの探索等を、時代やメディアの変革とともに再考し、問題にしてきたことが分かる。こうした蓄積と経緯を踏まえて今後を展望するとき、今、改めて、広告の存在意義、広告人の広告に対する志を思い起こす必要があるのではないだろうか。
おりしも、2009年の日本の広告費は、前年比2桁のマイナスと大幅に縮小した(電通「日本の広告費」)。これは、電通が調査を始めて以来、最大の減少率であったという。その理由として挙げられているのは、世界的な不況、日本経済の停滞とそれに伴う企業の業績悪化である。企業の業績が悪くなると、いわゆる3Kが削減されることは常であるし、広告費は景気動向とパラレルに推移することも経験的に知られている。そのため、われわれ広告学会員もさほど疑問に感じることなく、不景気を理由に、この“現実”を、看過してきたのではないか。また、拡大するインターネット広告についても、内外で様々に行われている議論が学会の中に十分に反映されてきただろうか。インターネット広告が、広告研究に変革を求めていることにわれわれは正面から向き合ってきただろうか。
広告は明確な目的を達成するために行われているはずであり、広告活動に携わる人々はその目的を達成すべく知力を傾けてきたはずである。広告研究者もそうした人々の努力に敬意を払い、研究に励んできたはずである。広告を取り巻く環境が大きく変わりつつある現在、これまでの努力と蓄積をふまえ、新たな時代を視野に入れながら広告と広告人が拠って立つ地点をもう一度確認することを求められているのではないだろうか。
今年の大会では、広告の存在意義、広告に対するわれわれの態度にはどれほどの覚悟があるのか、迷いはないのか、問い直してみたい。広告の普遍性と特殊性の問題、広告の揺るぎない部分の究明、広告の新しいマネジメントモデルの提言、広告のプロフェッショナルとしての自負等、先人の叡智を咀嚼し、かつ現在と近未来を見据えた新しい視点から、活発で創発的な議論が行われ広告研究の深化と活性化に資することを期待し、多数の会員のご参加を心よりお願い申し上げます。